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はりねずみ通信

兵庫県姫路市にあるかない動物病院。
椎間板ヘルニアの治療であるPLDDや腹腔鏡手術などの低侵襲治療に力を入れています。
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覚悟
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     先日、大阪府立大学で行われた獣医三学会で、「発表がうまくいかず、しょんぼり帰ってきた」と書いた。ところが、あの発表が近畿地区の優秀研究褒賞に選ばれたのだった。
    ほんとかな?と思ったが、送られてきた書類を見ると間違いないようである。これに選出されると、全国区で行われる日本獣医師会の年次大会で発表することができる。

    学会発表は、なにかの賞を取るためのものではない。自分の考えをきちんとアピールして、それが受け入れられるか、それによって動物医療に貢献できるか、そう考えて行っている。動物医療が少しでも進むことで、動物や飼い主さんたちに還元したい(かっこよすぎ?)。

    とはいえ、やっぱり認められたことは嬉しいものである。
    ノーベル賞受賞者が賞を辞退することがほとんどないのは、もらって嬉しいからであろう。偉い人でも喜ぶのだから、素直に喜べばいいのかもしれない。

    ただ、手放しで喜べない、という気持ちも大きい。

    もともと、この発表は「特発性乳び胸」を胸腔鏡下で治療するデータをまとめたものだ。
    私はここに至るまで、乳び胸を治してやれなかった犬や猫を何頭も経験している(ぜんぶ正確に覚えている)。この発表の中でも、経過が悪くて亡くなった動物も含まれる。
    いわば、その動物たちのおかげで、この病気の知見が得られたのである。

    ちょうど昨日、柴犬の特発性乳び胸の手術をした。
    この子は、胸腔内の癒着が非常に強く、難しいケースだった。心膜を切除するためには、胸腔内にある程度のスペースが必要だが、手術の最初、その領域を確保するのに難渋した。
    結局うまくいったが、終わったあとカメラ係をやっていた看護師の福嶋と、
    「これは、今までの経験がなかったら、できなかったね」
    と顔を見合わせたのだった。


    ここまできたら、もう進むしかない。
    そうしないと、今までの経験が無になってしまうし、助けられなかった動物の命も無駄になってしまう。究極までこの手術法を洗練させて、「治らない」と言われていた動物たちを治してやりたい。

    そういう覚悟をもってやっていきたい。
    受賞は嬉しいが、乳び胸は一つ間違えば死に至る病気であるし、手術そのものも術後の管理もとても大変なので、自分に与えられた責任は重い。

    「すべて引き受けて進んでいく用意はあるか」
    それを突きつけられているという意味で、手放しで喜んでばかりは居れないのである。





    ふゆのはじまり







    | エッセイ | 05:50 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
    今日はありがとうございました。
    早速、首にネックウォーマをしました。暖かくしてやりしばらく様子を見てみます。
    受賞おめでとうございます。
    これからも動物医療の発展に頑張って下さい。
    | ヤヤの母 | 2014/10/30 10:48 PM |

    受賞おめでとうございます。
    全国大会で発表できると言うことは全国の獣医さんに聞いてもらえますね。動物医療が広まりますように。
    先生を頼って来る獣医さんや飼い主さん動物達もたくさん増えると思います。
    一頭でも多く動物達を元気にしてあげてください。
    でも、お疲れ出ないようにしてくださいね。

    ハランが抱っこしてと言う態度したのですか(*^_^*)
    人見知りで人も犬も家の者以外駄目で抱っこしてもらった事なかったです。
    抱いてもらって安心したと思います(*^_^*)
    家では強くて偉そうにしていますが。
    今日はもあです。宜しくお願いします。
    | もあの母 | 2014/10/31 1:09 AM |

    先生、今晩は!受賞おめでとうございます。
    ここに至るまでに、たくさんの苦しみや悲しみ、苦労があったのですね・・・

    フレアを最初に診てもらった病院では、「抜いても乳びがすぐに溜まってしまうので手術しか道はありません。でも非常に弱ってる体を開腹開胸手術するので助かる確率は50%です」と言われました。
    私には、これまでのやりとりも含めて「乳び胸は症例が少ないのでなかなか手術をする機会がない、珍しい手術をしてみたい、助からないのを前提に」こう聞こえたわけです。
    飼い主にも伝わって来ますよね、その先生の思いが。私はこのまま預けたら、言葉は悪いですが、実験のようにされるのではないかと思い、他に方法はないか必死に検索し、かない先生の所へたどり着きました。そして、それは正解でした。
    助かったとか助からなかったというよりも、どんな病気にも誠意や信念、ここに書かれた覚悟をもって接してくれる先生に診てもらえたら、例え結果が良くなくても、悲しいですが、これはこの子の寿命だったんだと受け入れられます。

    先生がここに覚悟を書かれて文章で発信する、なんか凛としたものを感じました。私達ができることは、手術をして頂いた子を先生の言いつけを守り(食事療法など)再発しないよう少しでも長生きできるように導いて行くことだと思っています。
    先生、医療発展のため、でも健康には気をつけて頑張ってください!

    長々とすみませんでした。

    | フレアのママ | 2014/10/31 1:17 AM |

    ヤヤの母さん、ネックウォーマはこれからの季節はいいと思います。
    いまはいろいろかわいいのがありますよね。

    もあの母さん、ハランちゃんと入院室で見つめ合っていると、心が通じた感じがしましたよ(^^)

    フレアのママさん、ありがとうございます。いろいろな病気がある中で、乳び胸ほど酷な病気はないと思います。治すためにこれほど動物の負担を強いる病気はほかに思いつきません。乳び胸を低侵襲で治療でき、胸を張って「治りますよ」と言えるようにしたいと思います。
    | かない | 2014/10/31 6:03 AM |










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