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はりねずみ通信

兵庫県姫路市にあるかない動物病院。
椎間板ヘルニアの治療であるPLDDや腹腔鏡手術などの低侵襲治療に力を入れています。
<< 論文の翻訳 | main | 特発性乳び胸2 >>
乳び胸について1
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     乳び胸、という病気について少し書きたい。
    (病気に詳しくない人にむけて書くつもりなので、わかりにくかったらおしえてください)

    からだがむくみやすい、という方も多いだろう。
    多くの場合、これはリンパ液の流れが滞っているためだ。
    からだには体液を運搬する管(くだ)がある。
    よく知られているのは動脈と静脈。これは心臓というポンプで能動的に循環している。
    これに対し、リンパ管はそれを動かすポンプがない。体の動きや筋肉の収縮の力を借り、静かに流れている。
    リンパ管という管は、驚くほど繊細で、血管のように厚みのある壁はなく、薄紙のような外壁をしている。

    リンパ系は主として3つの役割がある。
    1.水分のバランスを維持する
    2.免疫反応を担う
    3.食事で得られた脂質を吸収し運搬する

    細胞からしみ出した体液の10%は毛細リンパ管に入りリンパ液になる。また、小腸から吸収された脂質は、腸のリンパ管を介して運搬されてゆく。
    これら非常に細いリンパ管は、樹木が枝から幹へ向かうように、次第に太くなってゆき胸管へつながる。
    胸管は身体最大のリンパ管で、人間でいうと胸の部分の背骨の前面に、背骨の向きに沿って首の方向へと向かっている。
    最終的には首のあたりの大静脈と頸静脈の合流部付近で、リンパ静脈吻合という部分をへて静脈系へとつながってゆくのだ。

    乳び胸という病気は、胸腔内(心臓や肺がある部分)の胸管というリンパ管の最も太い部分が破れ、リンパ液が胸腔内に貯留する病気である。

    外傷や腫瘍で胸管が破れる、心疾患で鬱血(うっけつ)が起こりリンパ管への圧力が高まって破綻する、など、原因がはっきりわかる場合は非常に少なく、多くは原因不明である。
    医学用語で「特発性」というと原因不明、という意味。
    だから「特発性乳び胸」と呼ばれることが多い。

    簡単に言うと、「リンパ管の一番太いところが破れ、胸の中にリンパ液がたまる病気」である。
    動物はミルク状の胸水(リンパ液は本当のミルクのように真っ白なのだ)が肺の外側にたまり、肺が膨らまなくなって呼吸が苦しくなる。

    明日は治療法について。



    おふろがまちきれない

    | 獣医医療 | 06:01 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
    ありがとうございます!
    説明良くわかります。私は 別の病気でリンパ節を取っていて 6年半が過ぎましたが いまだに左側には 注射ができません。 その意味も 分かるように思います。リンパ管の事など…本当に 色々な病気が あるという事が わかり どうぞ これ以上 ジョニーが病気にならない様にと 祈るばかりです!
    明日の 治療法を楽しみにしています!

    又 今日はSumakoさんのポストカード頂きました(^^)思いきって言って良かったです!娘にプレゼントしました(^^)
    | ジョニーのママ | 2013/01/22 6:05 PM |

    先生に 看護学生時代に、解剖生理を教えていただきたかったです

    治療法も興味津々です
    | もも | 2013/01/22 9:14 PM |


    乳び胸・・初めてしりました。
    原因がはっきり分かる場合は少なく多くは原因不明とは
    治療も困難ですね

    医学用語で「突発性」とは原因不明なんですね
    外傷でもおこるのですね
    勉強になります。

    あっ!sumakoさんのアロハシャツに白のレイが可愛いポストカードいただきました ありがとうございました
    カイマナヒラ〜♪のメロディーが聞こえてこそうです


    のんちゃん 昨日待合で声かけていただいて嬉しかったです
    優しいご夫婦に愛されてのんちゃんは幸せですよね
    また声かけてくださいね〜










    | はな | 2013/01/22 9:36 PM |

    ジョニーのママさん、特発性乳び胸は非常にまれな疾患なので、普通心配ありません。ポストカード、まだお渡ししていなかったのですね。喜んでいただけてうれしいです。

    ももさん、ぼくは大学時代は解剖学講座でした。
    ももさんが生徒だったらおもしろいでしょうねえ〜。

    はなさん、突発性は「突然なること」で、特発性は「原因不明」です。似ているけどちょっと違う(笑)。
    ポストカードすてきでしょ。

    | かない | 2013/01/23 6:01 AM |

    はじめまして。
    1年前のエントリーに失礼します。
    実はわたしの愛猫が、昨日乳び胸で確定診断をされました。
    先生の手術のご説明、興味深く拝見いたしました。
    なるべく負担のない手術ということで、胸腔鏡手術にとても、興味があります。先生に診ていただきたいのですが、関東なのが残念でなりません。

    東京で、乳び胸の手術をするとしたら、どこの大学病院が良いと、先生は思われますか?
    教えていただければ嬉しいです。
    | sawako | 2015/01/18 1:02 AM |

    sawakoさま、旧はりねずみ通信を最近チェックしていなくて、お返事が遅くなりすみません。
    おそらく関東の大学病院では乳び胸を胸腔鏡手術で行っているところはないと思います。開胸手術では行っていると思いますが、治療成績など詳しいことはわかりません。各施設に直接問い合わせて訊いていただくのがベストだと思います。
    乳び胸について質問などありましたら、あたらしいホームページからお問い合わせ下さい。
    | かない | 2015/02/02 6:38 AM |










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