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はりねずみ通信

兵庫県姫路市にあるかない動物病院。
椎間板ヘルニアの治療であるPLDDや腹腔鏡手術などの低侵襲治療に力を入れています。
PLDD500例
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     今週の火曜日、お盆前にPLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)の治療件数が500件を超えた。8/12に2件行ったのが500件目と501件目であった。
    こういうことは記録達成のようなものではないが、一つの節目にはなる。
    ちなみに500件目は、ゆめちゃんというチワワだった。

    動物のPLDDは、主に米国と日本で行われているが、まとまった報告は少ない。
    私が調べた範囲ではオクラホマ州立大学が報告した277例が最高である。
    国内では数件の動物病院で行われているようであるが、データーなどを公表している施設はまだあまりない。50件を超える施設はまだほとんどないのではないか。

    私はこの治療を普及させたいと思っているので、自分が持っているデーターは可能な限り公表してきたし、技術を学びたい人にはすべてお教えしたいと思っている。だから、自分の施設だけが特別であると喧伝するつもりはないことを理解していただきたい。
    その上で伝えたいことは、PLDDを体重1キロ前後のチワワからジャーマンシェパードなどの大型犬に行うこと、頸椎と腰椎に複数発生した多発性ヘルニアすべてに行うことは技術的にとても難しいので、国内では現時点で(私が把握する範囲では)当院でしか行えないということである。

    繰り返しになるが、「ここでしかできない」というような宣伝ではない。
    治療件数が少ない施設では(私もかつてそうであったが)、正確に椎間板中央を穿刺することが難しいと思われる。とくに体重が少ない小型犬種では、数ミリの差が治療効果に大きく影響するので、すくなくとも50例以上中型犬などで経験を積んだ後に施術すべきだと考えられる。

    私が個人的に技術を伝えようと、ホームページなどで手術日を公開しているが、実際見学に来られる獣医師は年間数人である。その中で、実際に治療をスタートさせた施設は今までに2−3件なので、まだまだ普及の道半ば、である。

    だから、飼い主の方で治療を考えているひとは、是非当院に問い合わせてもらいたい。
    ・・って、結局は宣伝じゃないか!
    でも、椎間板ヘルニアで苦しんでいる動物を何とかしたい気持ちだけなのだ。

    きちんとした形で普及していけば、全国どこでも治療が可能になるだろうが、現状はそうではないのである。


    なつのろうか








    | PLDD | 07:24 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
    おすそわけ
    0
       少し前、PLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)をした海斗ちゃんの飼い主Tさんからメールをいただいた。
      PLDDという治療法がまだまだ認知されていないので、椎間板ヘルニアの治療法にこのような選択肢があることを多くの人に知っていただきたいため、飼い主さんの許可を得てはりねずみ通信に載せることにした。
      海斗ちゃんは、何年にもわたり、椎間板ヘルニアの痛みに苦しんできて、当院で頸椎と腰椎10箇所のPLDDを行ったのである。

      以下引用


      滋賀のTです。

       先日は診察をしていただいて有難うございました。

       今日は久しぶりにカーペットの上で息子と海斗と一緒にお昼寝してみました。

       しばらくお腹を見せてくれるなんて事はなかったのですが、痛みが治まってきたのか少しだけお腹を見せてくれるようになりました。

      足を舐める姿や、首を振る姿、撫でてと手を引っ掻いて来たりと悪化する前の海斗の姿が徐々に見られる様になってきて本当に嬉しい毎日です。

       これも先生がPLDDという治療方法を確立して下さったおかげです。

       海斗が最後をむかえるその日まで、安らかな日々をおくれる様にと願う日々です。

      本当にありがとうございました。

       また診察に伺います。

       そして、地元の主治医の先生に『一生ケイジレスでステロイドを与え続けるしかない。』と言われてしまったので、フィラリアの薬を貰いに行くときビックリしはるかな?とちょっと楽しみにしていたりもします()

       それではまた。

      取り急ぎ嬉しさのあまり近況報告でした。

      引用終わり


      このメールは私も嬉しかったし、はりねずみ通信につながるみなさんにもお裾分けしたくて。

      | PLDD | 06:58 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
      愛知県から
      0
         Sさんはドーベルマンのラドンちゃんを治療するため、わざわざ愛知県から来て下さった。
        ラドンはウオブラー症候群という病気で、数年前から頸部痛などの症状があらわれ、最近後肢の歩様異常があらわれていた。
        この病気は大型犬の頸椎の不安定性が原因の病気で、頸部痛や後躯麻痺からはじまり、進行すると四肢麻痺に陥ることもある。通常、治療としては頸椎を安定化させる何らかの外科治療が必要である。
        だだ、その手術は比較的大きな手術になるため、Sさんは躊躇されていた。
        担当の先生は、まだ比較的神経症状が軽いので、もう少し様子を見るほうがいいと言われていたようだ。それは、多くの獣医師が同意見だと思う。

        ウオブラー症候群は、頸椎の不安定性が病気の本質ではあるが、それが原因で椎間板突出が起こる。椎間板を治療することで、痛みを改善したり、脊髄神経の圧迫を減少させることは可能だ。
        だから、当院ではこのようなケースでPLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)を行うことがある。
        すべてのケースで適応できるわけではないので、Sさんとは何度もメールや電話でやりとりし、CTやMRIの画像も送ってもらった。

        一昨日、ラドンのPLDDを行ない、昨日退院した。経過はこれからみていくが、私はSさん選んだここまでの道のりに、心から賛辞を送りたい。

        まず、Sさんは車の運転に不慣れだった。
        いままで車は買い物に使うくらいで、長距離の運転の経験がゼロだという。
        それから、PLDDが本当に効果があるか、副作用がないのかなど、さまざまな不安を抱えていたことだろう。実際、姫路に来る前日は、ほとんど眠れなかったそうだ。
        また、ラドンがとても興奮しやすい犬だったので、ちゃんと車でおとなしくしているか、病院に行って迷惑をかけないか・・。
        事前に調べたMRI検査も麻酔が必要だったし、担当の先生ともいろいろ相談して・・。

        そういうことを乗り越え、姫路まで来て下さったのだ。

        ラドンはSさんの心配にかかわらず、病院内ではおちついていた。
        麻酔が覚めたあと、入院室のラドンをみると穏やかな顔で座っていた。
        夜、持参のドッグフードを与えると、勢いよく食べる。
        その表情をみながら、私は今回の治療がうまくいくことを祈らずにはいられなかった。

        昨日、無事自宅に着いたというメールをいただいた。それが一番の心配事項だったので、胸をなで下ろす。

        Sさんのこれだけの愛情が、報われますように!


        いつものふうけい







        | PLDD | 06:55 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
        動臨研でのPLDD発表
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           昨日は動臨研の最終日で、午後からPLDDの症例発表をした。
          今回は「PLDDが椎間板ヘルニアを予防できるか」というテーマである。

          犬の椎間板ヘルニアは近年増加している。
          以前よりもCTやMRIで画像診断される機会が増え、正しく診断されることが多くなっているのも理由のひとつだろう。
          そのため、各施設で適切な治療が施されるようになり、治療成績は以前よりも上がっているように思える。

          ところが、いったん手術で改善したあと、再び椎間板ヘルニアを発症し、2回、3回と手術を受けなければならないケースも増えてきた。

          現在まで、椎間板ヘルニアを予防できる方法は限られていて、椎間板造窓術(フェネストレーション)が最も有効だと考えられていた。
          ところが、この方法は、背骨の広範囲を展開しなければ行えない手技で、動物の負担が大きかった。

          そこで、PLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)で椎間板の髄核にレーザーを照射し、同様の効果が得られるかどうかが、今回の発表の伝えたいところである。

          私は通常の手術のみと、予防的PLDDを行った場合のデーターを比較し、有効性を示した。
          それから、PLDDを行う箇所を工夫すれば、さらに高率に予防できる可能性を示唆したのだった。


          発表の反響は、とてもよかったと思う。
          会場からも質問が多かったし、終わったあとでも何人かの先生と意見を交換した。

          神経病を専門にする大学の先生も関心を示しておられたので、発表そのものはとりあえず成功だったと思う。
          お世話になっている岩手大学のU先生にも評価していただき、嬉しかった。

          PLDDが偏見なく受け入れられて、動物医療のスタンダードになることを期待する。
          そのためには、継続して報告を続けることだ。

          動物にとって「普通」の治療になるまで、がんばりたい。
          (こどもの作文のしめくくり、みたい)

          しらないよ





          | PLDD | 06:56 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
          PLDDについて
          0
             先週の日曜日、飛鳥メディカルというレーザー機器メーカーの主催するセミナーに講師として参加した。
            椎間板ヘルニアの治療、PLDD(径皮的レーザー椎間板除圧術)について話すためである。
            参加者は獣医師20名ほど。

            犬の椎間板ヘルニアは非常に多い病気である。
            ミニチュアダックスフントやウエルシュコルギ、ビーグルなど、椎間板が弱い犬種(軟骨異栄養犬種という)がよく罹患するといわれている。近年では犬の高齢化が進み、それ以外の犬種での発生も非常に増えていて、当院でも毎日数頭、何らかの形で椎間板ヘルニアの治療をしている。

            以前は治療方法が限られていた。
            安静にして薬を飲んだり、低出力レーザーを首や腰に当てたりする内科的治療を行うか、飛び出している椎間板を外科的に切除するか、どちらかであった。

            私がPLDDという治療法を知ったのは、今から6−7年前で、この飛鳥メディカルが行った実習に参加してからである。
            椎間板中央にレーザー照射をし、椎間板の圧力を下げ、ヘルニアの突出を減少させる治療だという。
            人間の医師にそのノウハウを聞いてから、
            「これがもし動物に応用できたら、どんなにすばらしいだろう。」
            と思ったのだった。

            当時、動物病院でもPLDDを行っているところはいくつかあった。
            ただ、まとまった報告や論文はほとんどなく、通常のレントゲン撮影に付属させる透視装置を用いて行っていたようだった。
            PLDDは椎間板の中央にある髄核に正確に針を刺し、その針の中にレーザーのファイバーを挿入して髄核を蒸散させる治療法である。

            2kg前後のチワワから50kg以上あるジャーマンシェパードまで、すべての犬種できちんと椎間板中央に針を入れなければならない。
            動物病院でPLDDを行うには、Cアームという多方向からレントゲン透視ができる装置が必須であろう。そう思った。

            それで全長2メートル、重量700kgあるCアームがはいる手術室を作るところからはじめ、2006年からPLDDを行うようになり、現在までで約180例の動物を治療してきた。1頭あたり3から4つの椎間板穿刺を行うので、600カ所以上の椎間板を治療してきたことになる。

            講演ではどんなケースで有効であるか、椎間板ヘルニアの予防効果はあるのか、などの話をした。

            少し前から学会などで発表してきたし、ここ数年で他の施設でもPLDDをはじめるようになったので、だんだんこの治療の知名度はあがっていると感じた。
            椎間板ヘルニアは非常に再発が多い疾患なので、参加した先生から、
            「1カ所の椎間板ヘルニアを外科的に切除するだけでは、再発が多いので、これからは他の椎間板をPLDDで予防することが必須になると思っています。」
            という声を聞くことができた。

            椎間板ヘルニアに苦しむ動物がたくさんいるので、この新しい選択肢の意義を、できるだけ多くの人に知ってもらいたいと思っている。


            きゅうけいちゅう





            | PLDD | 05:22 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
            三学会
            0
              昨日は近畿三学会で発表するため、りんくうタウンにある大阪府立大学へ行って来た。
              りんくうタウンは関空の近くなので、姫路から行くと、近畿の端から端までの移動になる。やっぱり、遠かった。

              PLDDの60例の経過をまとめ、発表してきた。
              ここ1ヶ月間、だいぶ準備してきたし、当日も自分にしてはうまく話せた方なので、充実感はあった。
              ベストは尽くせたと思う。

              日常診療が一番大切だし、学会の準備はそれなりにたいへんなので、あえて行わない選択肢もある。

              ただ、PLDDは自分が縁あってはじめた治療で、国内ではもっとも多くの経験をもつので、さまざまなデーターを報告する責務があると思うのである(現在まで約120例の治療を行っている)。
              たとえば、PLDDに近い治療の髄核融解療法なども、一時期学会でよく発表されていたが、ある時期から全く姿を消してしまった。
              理由はコストが非常にかかることだったようであるが、有効な治療でも徒花(あだばな)のように消えていくものもあるのだ。

              日本中に広まる必要はないにしても、主要な施設で継続して行われていけば、痛みや麻痺に苦しむ動物は、もっと少なくなるはずである。



              うでのなか
              | PLDD | 06:41 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |