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はりねずみ通信

兵庫県姫路市にあるかない動物病院。
椎間板ヘルニアの治療であるPLDDや腹腔鏡手術などの低侵襲治療に力を入れています。
昨日の手術より
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     昨日の手術より
    雑種犬、膝蓋骨脱臼のため関節鏡検査、ブロックリセッションと関節包の縫縮
    トイプードル、股関節脱臼のためCアーム透視下にて股関節ピンニング
    猫、外傷処置
    猫、去勢手術
    ポメラニアン、内視鏡検査

    ねこようこたつはきもちいい

    | 獣医医療 | 07:06 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
    長く勤めてほしい
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       当院に勤めている受付や看護師、獣医師などには、「長く勤めて欲しい」と思っている。
      結婚や出産、さまざまな家庭の事情で、いったんは職場を離れることがあるかもしれないが、落ちついたら戻ってきて欲しい、といつも言っている。

      ところが、以外にあっさりと退職してしまう場合が多い。
      目の前にある事柄に集中したい、という気持ちもわかる。もしかしたら、仕事がきついので、ゆっくりしたいと思うのだろうか。
      「また戻ってきますから、その時はよろしくお願いします」
      という言葉は、聞いたことがない(例外は受付の小原)。

      動物の医療に関する極めて専門的な事柄を教育されてきている、という実感が少ないのだろうか。身につけた知識や経験は、本当に貴重である。おそらく、いったん職を離れても、戻ってくれば、そのノウハウは生きるはずである。

      新人の人が一から学ぶのと違って、すぐにとけ込むことができるだろうし、短時間働くとしてもいろいろとこなせるはずだ。
      ・・とにかく、苦労して身につけたスキルを、簡単に手放して欲しくないのである。


      私自身は、自分が取り組んでいることを途中でやめるのが嫌いである。
      いや、嫌いと言うより、
      「ここでやめたら、今までの苦労が無駄になる」
      という、もったいなさ、かもしれない。

      もったいない、というのはある種の執着でもある。それも欲望の一種であろう。
      若い人は、そういう意味で欲がないのかも。
      「ガツガツしないほうがかっこいい、と思っている人、多いですよ」
      と、ある獣医師が言っていた。


      べつにかっこ悪くたっていいんじゃない?長く勤めることで、ゆっくりと成長する、という戦略もあり、ではないか。


      よくみるととおくにねこがいる



      | 獣医医療 | 06:28 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
      急性捻転3(予防)
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         急性胃捻転の続きを書きたい。(これまでの経緯は、過去ログを参照下さい)

        一度発生した胃捻転を治癒に導くのは難しい。
        統計上は周術期死亡率が5割ほど、と言われている。手術をしても半数の犬は助けられないのである。最大の理由は、「来院までの時間」だ。

        胃が捻転すると、お腹のまわり(あばらより尻尾側)が膨らんでくる。ただ、見慣れていないと気がつかない方もおられるようだ。それから、嘔吐。吐きたいけれど吐けない状態が続く。
        その状況が発生してからは、症状は一気に悪化してゆく。おそらく、数時間以内に取り返しのつかないステージまで進行してしまうだろう。

        私たちの施設では、電話連絡を受けるとすべての仕事を中止し、全員で治療するルールにしている。また、麻酔前の処置や、麻酔方法、胃ガスの除去などに長年の経験がある。そのため周術期の死亡率は1割以下であるが、やはり救えないケースもある。

        胃捻転を予防できないか。大型犬が多い米国を中心に、予防法の研究が進んできたが、右側の腹壁内側に胃の幽門部(出口に近いところ)を縫い付けることで、予防が可能であることがわかっている。これは10年以上前から行われていることだが、実際に手術を受ける犬は、それほど多くなかったはずだ。理由は、手術侵襲(手術による身体的負担)が大きいからである。

        大型犬の胃を固定しようと思うと、腹部を正中から大きく開け、深い位置で組織の剥離や縫合の処置をしなければならない。おそらく20〜30センチ以上の傷になるだろう。

        そこで、近年、腹腔鏡下で胃固定を行う方法が取り入れはじめられている。
        ところがこの方法が本当に有効なのか、長期的な経過報告はまだ出ていないようだ。
        腹腔鏡で通常の手術と同じような精度で胃固定を行うことには、制限がある。
        そのため、結紮を必要としない特殊な糸を使って縫合したり、脇腹を4−5cm程度切開し外側から胃を固定する手技(腹腔鏡補助下)が行われている。

        私は、開腹手術と同様の方法を、腹腔鏡で行えるように取り組んでいて、5mmから1cmのポート3ヵ所から器具を入れ、胃の漿膜の剥離、腹膜・筋層の分離、全周の縫合を行っている。理論上は、開腹手術と同様の予防効果が期待できるはずである。

        ただ、これはちょっと難しいのである。
        動物を側臥位(横に寝かせた状態)で手術をするのだが、ちょうど縫合・結紮する場所が「天井」の位置になるからである。
        毎日ワンハンド・スリップノットの練習を行っているのは、これがスムーズに行えるためでもある。

        でも、小さな傷3ヵ所で完全な胃固定ができるのなら、予防的手術は普及すると思う。多くの施設で取り入れられるよう、術式の定型化が目下の目標。



        ただしいこたつのはいりかた
        | 獣医医療 | 06:13 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
        バージルの11ヶ月
        0
           シェットランド・シープドッグのバージルは、11ヵ月間、毎日動物病院へ通った。
          いままで、多くの動物の治療に関わってきたが、これだけ長期間一日も欠かさず通院したのはバージルだけである。

          15歳のころ、馬尾神経を椎間板ヘルニアが圧迫し、排尿困難になった。
          そのときはPLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)を行い、排尿可能になったが、17歳になって、ついに自力排尿ができなくなったのである。

          自宅で膀胱を圧迫して排尿させたり、尿カテーテルを留置して常に尿が出るようにしたり、排尿させる方法を相談したが、いずれも飼い主のFさんの事情で難しかった。
          「先生さえよければ、毎日通います」
          そうおっしゃって、通い始めたのが昨年の12月である。

          以来、毎日朝9時(こちらの都合で、時間がずれることもあったが)、Fさんはバージルを連れてくることになった。
          尿道にカテーテルを入れ、尿を抜くのはそれほど難しいことではない。いつも10分くらいで終わってしまうことだが、よい点は毎日バージルの様子を診ることができることだ。

          途中、特発性前庭炎になって歩けなくなったり、痙攣発作が起きたこともあったが、その都度改善し、また元気になった。
          高齢のため、調子が悪くなるたびに、Fさんが息子さんたちを呼び、「もう最後かもしれないから」と言ったが、いつも元気になるので、
          「狼少年になった」
          と笑っておられた。
          そういった小さな物語りがちりばめられた11ヶ月だった。

          先日バージルは亡くなった。
          バージルが亡くなったことは、まだ受け入れられない、と言われていたが、亡くなった数日後にお会いしたときのFさんの表情は明るかった。
          それを見て、わたしもほっとしたのだった。

          私は、毎朝バージルに会わないのが、ぽっかり穴が開いたような感覚である。
          ましてや、Fさんはバージルが不在であることを、どのような寂しさで受け止めているのだろう。

          しばらくは、毎朝バージルを思い出し、Fさんが元気に過ごすことを祈ろうと思う。


          載せる写真がなかったので、とりあえず今朝とった1枚。
          行きずりの猫。



          | 獣医医療 | 06:17 | comments(11) | trackbacks(0) | - | - |
          生命体
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             生命の本質とは何か。
            福岡伸一さんの著書によれば、たえず体の中の構成要素が入れ替わりつつも、一定の構造を保っていくもの、とのことである。
            つまり、私たちの身体は今も半年後も同じような「かたち」をしているはずであるが、皮膚や腸・筋肉だけでなく骨や神経でさえも、構成要素は入れ替わってしまう。物質は流転してゆくのに、個体は同じかたちで維持される。それが生命というものである。

            先週末は、学会等でいろいろな施設の獣医師と出会った。一緒に食事をする機会も多かったので、いろいろな話をしたが、思ったのは、
            「動物病院も生き物と同じだ」
            ということである。
            動物病院は日々進化していく。とくに学会に参加する施設の獣医師はモチベーションが高いことが多いので、常に先を見て、新しい知識や技術をどんどん取り入れている。
            施設が手狭になり作新したり、機器を増やしたり、スタッフが増減したり。いわゆる「構成要素」は入れ替わってゆく。
            それでも、基本的な「姿勢」のようなものは維持しているのである。

            変わりつつ保つ。それが変化が激しい世界で生きていくのに必須である。
            そういう認識を新たにした。

            そして、それは恣意的であってはならない。
            無理やり大きな変革を起こして、大きくシフトしていくと「肉体」がついていかない。
            その時々で、必要と思われることに注力して、自然に新陳代謝するのがよい・・。


            ちょっと抽象的でわかりにくいかもしれないが、動物病院というこの生命体を守っていくのが、私の仕事である、と悟った。そんな週末だった。


            学会の合間に、手術室のデザイン工房に見学に行く。これはクールだ!








            | 獣医医療 | 06:54 | comments(9) | trackbacks(0) | - | - |
            昨日の手術より
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               昨日の手術より

              トイプードル、腹腔鏡下避妊手術と臍ヘルニア整復術
              ヨークシャ・テリア、前十字靱帯断裂の内固定除去
              柴犬、慢性股関節脱臼整復と、透視下のピンニング
              ミニチュア・ダックスフント、歯石除去と抜歯
              チワワ、肝疾患の精査のためCT検査(門脈シャントとの診断)
              ヨークシャ・テリア、帝王切開、2匹無事出産


              学会で不在にしていたためもあり、外来診察で長時間お待たせすることになってしまった。
              外来が終わったあと、すぐ帝王切開に入ったが、もう10時前である。
              私と角谷だけで行おうと思っていたが、何も指示しないのに看護師の福嶋が残って助手をしてくれた。帰り際、
              「ゴメンね、おそくまで」
              と言ったら、にこっと笑って、
              「全然だいじょうぶです!」
              と答えてくれた。あの笑顔は、最高だったなあ。


              よくがんばりました

              | 獣医医療 | 06:42 | comments(5) | trackbacks(0) | - | - |
              急性胃捻転3
              0
                 急性胃捻転の治療について。
                一度捻転が発生してしまったら、多くの場合緊急に手術が必要である。
                (胃チューブや内視鏡で、胃の減圧ができれば、容体が安定してから手術になることもある)

                全身状態が非常に悪い状況で手術をしなければならないため、リスクは高い。
                全身麻酔をかけ、まず内視鏡が胃まで入るか確認する。食道が捻れているので、内視鏡が入らないこともあるが、もし入れば胃のガスを吸引することができ、全身の血行動態が安定するからである。
                時計方向に捻れることが多いので、胃の位置を元に戻す。
                これは書くと1行なのだが、膨らんだ胃は、どこが入り口でどこが出口なのか、表面からは見えないことも多い。胃を穿刺してガスを抜きながら、整復を試みる。
                胃が元の位置に戻ったら、幽門部付近の胃を、腹壁に固定する。再び捻転するのを防止するためである。
                胃と一緒に脾臓も捻れていて、血行遮断がおきていると、整復後貯まった血液が流れ出し、全身に悪い影響を及ぼすことがあるため、脾臓を摘出することもある。

                論文等では、胃捻転の周術期死亡率は50%程度だといわれている。
                適切な処置をしても、救えない犬も多いのだ。

                急性胃捻転を予防するため、あらかじめ胃を腹壁に固定する手術をすることもある。
                いわゆる予防的胃固定術であるが、今まではあまり普及していなかった。
                胃を固定するためには、胸の深い犬では深い位置で操作を行わなければならないため、手術創がかなり大きくなってしまう。
                予防のため、負担の多い手術を決断するのが躊躇されるため、予防が必要とわかっていても、手術されないことが多かったのである。

                いまは、腹腔鏡で予防的胃固定ができるようになっているが、それについては次回。


                しゅんかんのかお
                | 獣医医療 | 06:51 | comments(7) | trackbacks(0) | - | - |
                急性胃捻転2
                0
                   急性胃捻転になりやすいのは、どんな場合か。
                  まず、一般的に胸の深い大型犬種で発生しやすい、といわれている。
                  「胸が深い」という意味は、人間でいうみぞおちの位置から背骨の位置までの距離が長い、ということである。
                  グレートデン、ジャーマン・シェパード、レトリバー種、ワイマラナーなどは、急性胃捻転の好発犬種と考えられている。
                  「胸が深い」と、胃が自由に動くスペースが多くなるため、捻転しやすいのであろう。
                  中高齢になると、胃の周囲を支える結合組織が緩むことが多いので、発生率は上昇する。しかし、若い犬でも起こることもある。

                  胃にガスが貯まりやすくなるような状況を避けることが、予防になる。
                  具体的には、
                  食事をとったあとは運動しない、
                  いっぺんに大量の食事をとらない、
                  消化の悪い食事は避ける。
                  ということになる。

                  ドライフードを主食としている場合に、発生が多いといわれるが、明確な証拠はないようである。ただ、乾燥した食事を一気に食べると、胃液と混じり消化するまでの時間がかかることは想像できるため、高齢になり消化力が落ちてくると影響があるかもしれない。

                  しかし、どんなに気をつけていても、なる場合はなってしまう。
                  明日は予防手術について。


                  まどぎわのふたり
                  
                  | 獣医医療 | 06:03 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
                  急性胃捻転について
                  0
                     急性胃捻転について書きたい。
                    正確には「急性胃捻転胃拡張症候群(GDV)」と呼ばれる。
                    大型犬に多いが、小型犬にも発生する。

                    急に胃にガスがたまり、胃が風船のように膨らむ。
                    その状態でおなかが張っているだけの場合は、胃拡張という診断になる。
                    ところがその後、胃がおなかの中でぐるりと捻転することがある。それが急性胃捻転である。

                    胃には食べ物が入っていく食道と、出て行く十二指腸がつながっているため、胃が捻転すると、これらも捻れてしまう。
                    つまり、入り口と出口がふさがってしまうのである。
                    すると、胃の中に閉じ込められたガスが発酵し、胃がどんどん膨らんでいく。
                    この速度は非常に早く、数十分から数時間で、信じられないほどおなかが膨満するのだ。

                    まず起こるのは胃の血行障害である。その後、周囲の肝臓や脾臓、消化管にも圧迫が加わっていく。時間が経つほど、これらの臓器の傷害は進み、多臓器不全の状態で動物は亡くなってしまう。血栓症からDIC(播種性血管内凝固)という病態に進むことも多い。

                    発見から治療まで、時間との勝負になる。
                    「おなかが急に膨らんできた」
                    「吐こうとするけど、吐けない」
                    という症状が見られれば、すぐに動物病院へ連絡しなければならない。

                    その際に、ここに書いた症状を正確に告げることが、とても重要である。動物病院では、連絡を受けてからすぐ治療に入れるよう、準備していかなければならないからである。

                    つづきは、明日。


                    かわいいけづくろい



                    | 獣医医療 | 06:57 | comments(13) | trackbacks(0) | - | - |
                    昨日の手術より
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                       昨日の手術より

                      ミニチュア・ダックスフント、腰椎6ヵ所のPLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)
                      ミニチュア・ダックスフント、腹腔鏡下卵巣子宮摘出術と乳腺腫瘍切除
                      チワワ、鼻腔内異物除去(内視鏡)
                      ウサギ、臼歯過長のため歯切り
                      猫、尿路閉塞解除
                      ミニチュア・ダックスフント、ビデオ耳鏡検査、脛骨粗面移植のピン抜き
                      雑種犬、卵巣子宮摘出術(開腹術)

                      静岡の動物病院から見学に来られた獣医師の先生に、PLDD・腹腔鏡の話をする


                      こたつはいいな
                      | 獣医医療 | 06:53 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |